Multimorbidity(マルチモービディティ)**とは、一人の患者が複数の慢性疾患を同時に持つ状態を指します。
特に高齢者に多く見られ、医療や介護の現場では重要な課題となっています。たとえば、高血圧や糖尿病、慢性腎臓病などの疾患が組み合わさることで、治療が複雑になり、患者の生活の質(QoL)にも大きな影響を及ぼします。
マルチモービディティが増加する背景には、人口の高齢化や生活習慣の変化があります。加齢とともに複数の病気を発症しやすくなり、特に心血管疾患や呼吸器疾患、筋骨格系の疾患などが組み合わさることが多いとされています。これにより、治療方針の調整が難しくなり、薬の相互作用による副作用のリスクが高まることも問題視されています。
このような状況に対応するため、医療現場では包括的な診療やチーム医療の導入が進められています。例えば、医師だけでなく、薬剤師や看護師、栄養士などが連携し、患者の全体的な健康状態を考慮しながら治療を行うアプローチが重要視されています。また、生活習慣の改善や自己管理を支援することで、病気の進行を抑え、患者の健康寿命を延ばす取り組みも行われています。
このように、マルチモービディティは現代の医療において避けて通れない課題ですが、適切なケアを提供することで、患者の負担を軽減し、より良い生活を送ることが可能になります。