帯状疱疹の痛みは強いですね。近年の研究により、帯状疱疹ワクチンの接種が認知症予防に寄与する可能性が示されています。帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルス（VZV）は、再活性化によって神経系に炎症を引き起こすことが知られており、この炎症反応が脳内で慢性的に持続すると、アルツハイマー病などの認知症リスクを高めると考えられています。ワクチン接種によってVZVの再活性化を抑えることが、結果として神経炎症を防ぎ、認知機能低下のリスク軽減につながる可能性があります。
実際、海外の大規模研究では、帯状疱疹ワクチンを接種した高齢者は、接種していない人に比べて認知症の発症リスクを15％から22%抑えられるとの報告がされています。このような結果から、帯状疱疹ワクチンは感染症予防だけでなく、神経変性疾患の予防という新たな可能性を持つ介入手段として注目されています。
参考文献
Scherrer, J. F., et al. (2022). Association between herpes zoster vaccination and incident dementia. Journal of the American Geriatrics Society, 70(9), 2520–2529. https://doi.org/10.1111/jgs.17956
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