最近、軽度認知障害をMCI(Mild Cognitive Impairment)と呼び、認知症の前段階として注目されています。認知機能とは、人が日常生活を送るうえで必要な「考える」「覚える」「判断する」といった脳の働きのことを指します。具体的には、記憶力、注意力、言語能力、理解力、計画力などが含まれます。2012年には、日本のMCIは推定400万人とされています。ちなみにこの基礎データとなったのは1997年から行われている愛媛県伊予市中山町における調査です。
この中で重要というか、認知機能の土台は注意力と考えられています。たとえば、電話番号を一瞬で覚えなければならない場合、集中力を使いますし、買物にいって欲しい銘柄のお醤油にたどり着く場合、たくさん並んだ陳列棚の中から瞬時に「これだ」と選択できる注意力が必要です。
ですから、注意が低下すると、MCIに陥いって日常生活がしずらくなる、ということになります。考えるとき、ひとつの事柄をどの程度の時間をかけて考え続けられるのか、一度意識的にお試し頂くと良いかなと思います。