最近、「両立支援」という用語をよく耳にします。病気や障がいのある状態になっても治療しながら働くことを希望する人にとって、治療と仕事を両立させることを意味します。
治療に専念するだけでは生活の継続に支障をきたしたり、経済的困難に陥ったりすることもあります。そのため、治療と就労のバランスをとるための両立支援は、個人の生活を守るうえで極めて重要です。
この両立支援を実現するためには、企業・医療機関・行政・そして本人が連携し、それぞれの立場から支援体制を整えることが求められます。なかでも、産業保健の役割は非常に大きいものです。産業医や保健師、衛生管理者などは、労働者の健康状態を把握しつつ、職場でどのような配慮が可能かを検討し、主治医との情報共有を通じて適切な就業上の措置を提案します。また、本人が安心して相談できる窓口として、治療と仕事の両立に伴う不安や悩みを支える重要な存在でもあります。
さらに、企業には、産業保健スタッフと連携しながら、柔軟な勤務制度や休暇制度の導入、上司や同僚への理解促進といった環境整備が求められます。行政は、産業保健総合支援センターなどを通じて、事業所への助言や専門家派遣などの支援を行っています。これらの体制を知り、活かしながら、働きながら治療できる環境がどこにおいても存在する社会を望みたいものですね、!(^^)!