定年後の不安は、多くの人々に共通する課題です。生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(2022年)によれば、60歳以上の約7割が「老後の生活費」に不安を抱えており、特に年金だけで生活することの難しさを懸念しています。また、総務省の「家計調査」(2021年)では、高齢者世帯の約半数が年間収支で赤字となっており、医療費や介護費用の増加も家計を圧迫する要因として指摘されています。
さらに、経済的な問題だけでなく、社会的孤立も深刻な課題です。内閣府の「高齢社会白書」(2023年)では、高齢者の約3割が孤独を感じると回答しており、孤立が心身の健康に与える悪影響が懸念されています。
これらの不安を軽減するには、定年前からの貯蓄や収入源の確保が必要です。また、地域活動や趣味を通じた社会的つながりの維持も重要であり、行政や地域社会の支援の充実が求められます。早期からの生活設計が、安心した老後を実現する鍵となるでしょう。まぁ、70歳の半数が働いているいまを考えると、60歳や65歳での定年は人生の通過点と考える方がいいかもしれません。