最近、あまり目にしなかったマダニを介して感染するSFTSによる死亡例が四国内で発生しました。予防の基本は、マダニに咬まれないことです。野山や草むらに入る際は、長袖・長ズボン・帽子を着用し、肌の露出を避けましょう。また、虫よけ剤の使用も有効です。ペットを介した感染にも注意が必要です。
治療法としては、現時点で特異的な抗ウイルス薬やワクチンは存在せず、対症療法が中心です。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の対症療法とは、ウイルスそのものを排除する特効薬が存在しないため、症状を緩和しつつ、身体の回復を支援する治療法です。主な内容としては、発熱や下痢、嘔吐による脱水を防ぐための点滴による水分・電解質の補給、食事が摂れない患者に対する静脈栄養などが挙げられます。
また、肝機能や腎機能、血液凝固機能の異常がよく見られるため、定期的な検査で全身状態を把握し、必要に応じて血液透析や血液製剤の投与を行います。細菌の二次感染が疑われる場合には、抗菌薬を使用します。重症化することが多いため、早期診断と集中治療が重要です。高齢者では致死率が高く、特に注意が必要です。