前の前に、「こどもの権利」について記事を書きましたが、その続編として今日は「こどもアドボケイト」についてです。「こどもアドボケイト」とは、こどもの声を聴き、その思いを社会に伝える役割を担う人のことです。虐待、いじめ、家庭や学校でのトラブルなど、こどもが困難な状況に置かれたときに、安心して自分の気持ちを話せるよう寄り添い、必要に応じてその意見を代弁します。アドボケイトは、こどもの「代わりに決める人」ではなく、「一緒に考える人」。子どもの意見を尊重し、本人の意思を社会に反映させることを目的としています。
2023年に発足したこども家庭庁は、「こどもまんなか社会」の実現を掲げ、子どもを取り巻くあらゆる課題に総合的に対応するために設立されました。こどもアドボケイトは、この新しい仕組みの中でも重要な役割を果たします。こども家庭庁は、こどもの意見を政策に生かすための「こども意見反映制度」を進めており、現場でこどもの声を直接聴くアドボケイトの存在は、その実現に欠かせません。
私たち大人に求められているのは、こどもの声に耳を傾ける姿勢です。何が正しいかを大人が一方的に決めるのではなく、こども自身がどう感じ、何を望んでいるのかを丁寧に受け止めること。こどもが「自分の思いを話していいんだ」と感じられる社会は、すべての人にとっても優しい社会です。したがって、「こどもの意見を聴く」というのはある意味かなり専門性を有する仕事かもしれませんね。