寛容な社会を目指すことは、人々を幸せにするのか、というテーマです。寛容な社会とは、前にもお話した多様性を重視する社会とも言えますが、そういう社会が実現できたら人々は幸せになるのでしょうか。
幸福な国(デンマーク)
たとえば、幸福な国として知られるデンマークは、福祉国家として世界の幸福度ランキングでも常に上位にきます。医療や福祉にかかる費用は無料で、国民の平均年収も高い国です。ただし、福祉国家の特徴として、消費税率は25%と、日本のように軽減税率も適用されていません。ですから、それなりの負担と引き換えに福祉の充実が図られています。
しかし、デンマークが寛容な社会かというと、異なる側面から見ると少し違っているようです。今、話題となっているマイナンバーカードのように、以前から全国民背番号制となっていて、移民の方などには、その番号取得の条件が厳しく設定されています。なので番号がなければ医療などは全て実費となっています。つまり、寛容な社会とは言えない側面もある訳です。
日本の良さと幸福度
こうして考えると、日本では住所さえあれば外国人の方でも生活保護費の受給や医療費の自己負担低額の制度を受けられるため、むしろ寛容な社会と言えるかもしれません。経済的な国際競争力が低下した、との論調だけでなく、日本は日本なりの寛容な社会を深化させていくことが重要なのかもしれません。そうは言っても、日本人の幸福度は低いままなんですよね、汗)。